2月29日木曜日に、かねてより準備を進めてきたイベント「食の達人から学ぶ 海の京都舞鶴 食の魅力・関わりの魅力」を京都市内の共創施設QUESTIONで開催しました。
このイベントは、舞鶴の食の魅力を知り尽くした「舞鶴在住の食の達人」と「舞鶴を外から応援する食の達人」のお二人から、それぞれの視点で、それぞれが感じる食の魅力と、地域との関わりが生み出す魅力についてお話いただくもの。
オープニング後は、お二人の軽い自己紹介から始まり、有吉さんの奥様、友理さんからお持ちいただいた日本酒とお茶のご紹介へと続きます。
有吉さんにお持ちいただいた日本酒は舞鶴が誇る酒蔵、池田酒造さんの「CLOUD」と「加佐一陽」
飲み口すっきりで旨く爽やか、お食事にも合わせやすい個人的にも大好きなお酒。このシンプルなラベルもいいですよね。
そして会場に配られたお茶は、全国茶品評会のかぶせ茶部門で5年連続日本一に輝いた植和田園さん生産のもの。乾杯の時点から舞鶴の魅力にあふれています。
乾杯の後は、いよいよ本番のトークイベント。
舞鶴在住の食の達人、有吉さんは、舞鶴市桃山町にある、完全予約制の「京都舞鶴ARIYOSHI」代表。15歳から大阪の日本料理店で修業を始め、その後飛騨高山の高級料理旅館で長年料理長を務めた、2024年で職人歴40年の食の達人です。
京都舞鶴ARIYOSHIでは、その日のコースは最初に予約した人が選んだコースに統一して、全予約のスタート時刻もそれに併せる、いわゆる「一斉スタート」の方式でお店を運営されています。
舞鶴では一斉スタートのお店は少ないイメージだったので「一斉スタートが舞鶴でうまく行くと思われたのはなぜですか?」と尋ねたところ「うまく行く行かないではなく、自分にとって妥協の無い料理を提供できる方法はこれしか無い。自分は他の方法ではお店はできないから一斉スタートにしているだけ」と仰られていたのが印象的でした。
信念をもって食と向き合われて、その結果、舞鶴の内外でたくさんの有吉さんの料理のファンが生まれているというのは、本当に素晴らしい事だと思います。
そして一方の舞鶴を外から応援する食の達人、中嶋さんは、京都市伏見区にある「海の京都 魚・魚・魚」京都市南区にある「樂旬魚菜 しげ 久世店」等、数店舗を経営する、京都府舞鶴市出身オーナー。
中嶋さんは京都市内にお店を持ちながらも、舞鶴、丹後地域で水揚げされた地の魚を活かすことにこだわってお店を運営されています。
中嶋さんのお話で印象的だったのは「儲かればなんでもいいといった気持ちでビジネスをやっていてもあまり面白くない。地元を紹介する、舞鶴や海の京都を応援するという気持ちで仕事をする事に、今は興味がある。」と仰られていたこと。舞鶴の外でビジネスを営みながらも故郷の想いに満ちたお話を伺えて、嬉しくなりました。
もう一つ印象的だったのは、舞鶴から魚を届けてくれる同級生の友人のお話が端々で出ていたこと。舞鶴から離れても続くつながり。素敵な事ですね。
お二人の食の魅力の話、まだまだお伺いしたいところですが、あっという間に40分のトークタイムが過ぎていきます。
その間にお料理の仕込みも完了したようです。
有吉さんが作ってくださった本日のお品書きに、中嶋さんのお料理も手描きで追加いただいて、準備万端です。
そして運ばれてきた土鍋ご飯は、蓋を開けた時の華やかさと、口に含んだ時の香り、味わいが想像を遥かに超えてきて、早速会場からは「ヤバっ!」という声が(笑)
土鍋ご飯に使われている魚は、舞鶴でこだわりの水産物の加工、販売をされているENDERVOR(慎孝水産)さんのソフト干物。下処理を丁寧に行い、魚の美味しさを最大限引き出した逸品です。
そしても次も有吉さんの逸品。舞鶴産イワシの梅煮。
こちらについてはアンケートに書かれていたご意見が素晴らしかったので一部抜粋してお伝えします「特に、イワシの美味しさに感動しました。決して高級魚ではないですが、肉厚で旨みがしっかりある魚なんだと知ることができました。またそれが舞鶴で捕れるということを誇らしく思います。」
ハタハタの唐揚げは間違いない美味しさ。
みんなと楽しく話ながらつまむのにちょうど良くて、しっかりした旨味がお酒に合って嬉しい。
こちらは久美浜の牡蠣の塩天ぷら。舞鶴産ではありませんが、海の京都はみんなで手を取り合って盛り上げていく仲間!美味しいものはみな友達。
牡蠣の天ぷらはあまり経験が無かったんですが、肉厚でボリューム満点の牡蠣をブレンド塩でいただく幸せが堪りません。
寒山拾得(かんざんじっとく)さんの舞鶴産熟成鹿肉。
恥ずかしながら、有吉さんのお料理で初めて寒山拾得さんを知ったんですが、舞鶴にこんなにこだわってジビエに取り組まれているお店があったんですね。柔らかくて臭みを微塵も感じさせない鹿肉。うまいです。
このコロコロはイカのくちばし。
馴染みが無い方もいらっしゃると思いますが、中の黒い爪みたいな部分を取り除いて食べます。コリコリとイカの旨味が広がるおつまみ。
中嶋さんの寒サバの味噌漬けは、まずこの照りと色味が最高!
肉厚で脂のバランスが絶妙な寒サバに、お味噌のコクが絡んで、ご飯が欲しくなってしまう罪の味です。
こうやって出てきたお食事が、池田酒造さんの美味しいお酒との相性が最高なのはわかっていただけるかと思います。
そしてどんどん無くなる日本酒(笑)
次々に出てくる食事で盛り上がっていると、ここで畳みかけるように食の実演がスタートです。
舞鶴で今朝とれたばかりの鰤をオープンキッチンで捌いていきます。
めったに見ることができない有吉さんと中嶋さんの貴重な共演。
お二人が流れるように無駄のない動きで共同作業される姿の格好良さと、それを間近で見れる幸せ。
鰤が手早く捌かれ、美しく盛り付けられました。
口にいれると、とろける鰤の味… 鰤ってこんなに美味しかったっけ… 会場には「ふおぉぉー」と声にならない声が響きます(笑)
そんな感じで次々にやってくるお品に夢中になっている間に、気がつけばもう終わりの時間!
最後に、今回後半の会場ファシリテートをお願いしていた作間さんにご登壇いただきます。
作間さん、会場の皆さんで楽しく会話するためのワークショップを考えてくださっていたんですが、お食事のパワーがあまりに凄くてワークショップをするまでもなく会場が打ち解けた雰囲気になりワークショップの出番がなくなってしまったという…(笑) 食の力って本当に凄いですね。
でも、さすがは誰よりも「舞鶴の今」に詳しい男。時間が無い中でも魅力的な舞鶴プレゼンテーションを披露してくれました。
もっと聞きたいけど時間が無い!
作間さんの舞鶴プレゼンテーションが聞きたい方は、改めて本コミュニティの次なるイベントにご参加ください。
ということで、始まってしまえば怒涛のように過ぎていった「食の達人から学ぶ 海の京都舞鶴 食の魅力・関わりの魅力」
二人の食の達人からお話をいただき、舞鶴の食の魅力を多くの人に伝えるという目的は達成できたと思います。
ご登壇いただいた皆様、参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
海の京都舞鶴サポーターズコミュニティでは、今後も舞鶴に想いや縁がある人が、楽しく舞鶴に関わる場となる企画を考えていきます。
でもとりあえず、次はただ楽しくゆっくり話をして、舞鶴をネタに盛り上がるだけの会をやろうかな。そんなのもいいかも!と思われる方はまた是非ご参加ください。